22時:ペースをキープ
北天の春の系外銀河を
順番にかたづける
春の北天のメシエ天体に移る前にふたご座のカストル、ポルックスからM44、M67と視野を振り、この2つを早めに片付けておきましょう。それがムダのないマラソンルートです。その後、しし〜おおぐま座付近の銀河の多い領域を攻めていきます。この領域には全部で20個のメシエ天体がありますが、このあたりの系外銀河は、比較的明るいものが多いので、位置をしっかり把握して確実にこなして行くことさえできれば、ムリなくクリアできるでしょう。
最初は、しし座の系外銀河M95、M96、M105とM65、M66。これらはレグルスと赤緯値がほぼ同じなので、導入そのものは難しくありませんが、M105は暗いので注意しましょう。次のおおぐま座のメシエ天体は、ほとんど北斗七星のまわりに集中していますが、M81+M82だけは北斗七星から西にはずれていますので、先に見ておくようにしましょう。あとは北斗七星のβ星からM97+M108を、γ星からM109、M106を、η星からM101、M51を、りょうけん座α星からM63、M94を見つけます。そして、最後に球状星団を2個、りょうけん座のM3、かみのけ座のM53、系外星雲M64を見てメシエマラソン前半の核心部、かみのけ〜おとめ座の系外星雲密集地帯へと迷い込んでいくことになります。
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ふたご座のポルックスから、肉眼でも見えるかに座の散開星団M44プレセペを見つけることから春のM天体探しが始まる。M44の南約9゚、かに座α星の西約2゚にある散開星団M67は双眼鏡で星雲状。望遠鏡で個々の星が半円形を描くように並びまるで王冠のように見える。このM67から赤経方向に望遠鏡を振り、しし座のレグルスの東にM95、M96、M105を見つける。 M96が一番明るくM96の西1゚にあるM95が2番、 M95の北1゚にあるM105が一番暗い。 いずれにしてもかすかな光のシミ。 M65、M66はM105の32'東、 しし座の後ろ足θ星とι星の間にある系外銀河。60倍程度なら同一視野で見える。どちらも楕円形のシミ。
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球状星団M3は、アルクトゥルスからりょうけん座のα星コルカロリに向かって約12゚のあたり。100倍で周辺部が星に分解し始める。球状星団M53はアルクトゥルスの西約1゚。密集度が高く倍率を上げても星に分解せず丸い星雲状。 系外銀河M64は、 M53の北西約5゚ にある。「黒目星雲」の名でおなじみだがこの暗黒帯を見るには口径30cm以上欲しい。
次の北斗まわりのM天体に移る前に、北斗七星のγ星とα星を結んで、α星の方向に約2倍延長した辺りに約40'間隔で南北に並んだM81、M82を見ておこう。M81は2本の腕が楕円形の核を包むように伸びる美しい渦巻き銀河だ。M82は細長く伸びた不規則銀河で、輪郭が凸凹している。
北斗七星のβ星の南東約2゚にある系外銀河がM108。楕円形の星雲状に見えるが、倍率を上げるとかえって見にくい。惑星状星雲M97はM108の南東0.5゚にあり、 ふくろう星雲の名がある。暗い割には小口径でも丸く広がった星雲状に見える。 M109はγ星のすぐ東にある系外銀河。M108よりもさらに淡い。ζ星の東約20'には大型の系外銀河M101がある。写真写りはよいが眼視では捕えどころがない。
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