リュウグウ試料のカタログを公開

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「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの試料について、基礎データや画像をまとめたカタログが公開された。研究目的だけでなく一般の人々も利用可能だ。

【2022年1月17日 JAXA宇宙科学研究所 地球外物質研究グループ

探査機「はやぶさ2」が2020年12月に地球に持ち帰った小惑星リュウグウ試料のキュレーション(拾い上げと計測、記録)作業を行っているJAXA宇宙科学研究所の地球外物質研究グループが、キュレーションで記録されたデータをまとめたリュウグウ試料のカタログを1月13日にインターネットで一般公開した。

カタログ
リュウグウ試料のカタログ。粒子や粉体試料ごとに、画像やサイズ、スペクトルデータへのリンクなどがまとめられている。画像クリックで表示拡大(提供:JAXA)

カタログは、第1回/第2回タッチダウンのどちらの試料であるかや、粒子の直径・重量などの条件でデータをしぼり込むことができ、高解像度の試料画像やスペクトルなどのデータを見ることができる。

キュレーション作業を統括している「はやぶさ2」プロジェクトチーム統合サイエンスチームの臼井寛裕さんは、「研究者だけではなく、科学に興味を持っているお子さんや学生の方など、誰もが世界レベルの研究者と同じデータを利用できます。夏休みの宿題にも使えるような、とても楽しいカタログになっていると思います」と語っている。

「はやぶさ2」が採取したリュウグウの試料はトータルで約5.4gあり、これまでは「はやぶさ2」プロジェクトチーム内の初期分析チームと、国内2か所の研究機関による第2段階の詳細分析チームに合わせて試料全体の10%分(約0.5g)が分配されている。また、NASAにも10%分が引き渡されている。

今回、新たに公開されたカタログとともに、リュウグウ試料の国際公募研究の申し込みwebサイトも公開された。国際公募の研究テーマは国内外の専門家で構成される審査委員会によって評価され、採択されたチームには今年6月から試料が分配される予定だ。国際公募研究への分配は試料全体の15%分となる。

1月13日 記者説明会の動画(提供:JAXA)

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