「はやぶさ」の微粒子はイトカワ由来と判明
【2010年11月16日 JAXA】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセル内の微粒子に小惑星イトカワ由来のものが含まれていると発表した。小惑星からのサンプル採集成功は世界初となる。
小惑星イトカワの観測およびサンプル採集ミッションから今年6月13日に地球に帰還した探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルに、イトカワ由来の微粒子が入っていることが判明した。
現在、JAXA相模原キャンパスにおいてサンプル収納容器からの微粒子の採取・カタログ化が進められている。収納容器内の2つの部屋のうちのひとつから特殊形状のヘラで採取された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察・分析したところ、1,500個程度の微粒子が岩石質の地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断した。
これらの微粒子がイトカワ起源であるとする根拠として以下の3点があげられている。
- 微粒子に含まれる鉱物とその割合が、隕石の特徴と一致すること
(かんらん石を主として、輝石、斜長石、硫化鉄などを含む点など) - 「はやぶさ」がイトカワ接近時に行った地表観測から推定される物質のデータと整合すること。また、地球の岩石のものとは合わないこと
(かんらん石・輝石に含まれる鉄とマグネシウムの割合が一致) - サンプル収納容器内から、玄武岩や安山岩、デイサイトなど地球上の一般的な火成岩の破片が見つかっていないこと
(こうした火成岩は、対象の微粒子に含まれるような鉱物を主成分としているが、その破片が見つからないということは、火成岩がまぎれこんだためのものではないと判断できる)
採取された10μm(=100分の1mm)以下の極微粒子をさらに詳細に分析するため、JAXAでは必要な取扱技術と関連装置の準備を進めている。
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