2016年の主要なミラ型変光星の明るさ変化予測

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数か月以上の長い周期で明るさが大きく変わるミラ型変光星のうち主なものについて、2016年の光度変化の予測グラフを紹介しよう。1~2月に極大予想のうさぎ座R「クリムゾンスター」や9月中旬に極大予想のはくちょう座χなどを観察してみよう。

【2016年1月13日 高橋進さん】

「ミラ型変光星」は、恒星の脈動によりおよそ100~500日の周期で5~10等級ほどの変光を見せる天体です。明るいものは小さな双眼鏡があればじゅうぶんに観測できますし、場合によっては肉眼でも観測可能です。そのため何か観測したいという方にはおすすめなのですが、実際には双眼鏡を向けてみたが見えなかった、という話もよく聞きます。たとえば、ミラ型変光星の代表星であるくじら座ミラの場合、極大の(一番明るい)ころは3~4等級になり肉眼でも観測可能なのですが、極小期(一番暗いころ)は9等にまで暗くなってしまい双眼鏡でも観測が難しくなります。

そこで、ミラ型変光星のうち主要な11星について、いつどれくらいの明るさになるかを予想したグラフを作成しました。これを利用して、その時期に見やすい天体をぜひ観測していただければと思います。ただし実際には1~2等級のズレが出る可能性がありますので、あくまで目安として参考にしてください。

ミラ型変光星の2016年の変光予想
ミラ型変光星の2016年の変光予想。うさぎ座R「クリムゾンスター」やはくちょう座χが見やすくおすすめだ。クリックで拡大(提供:高橋進さん)

2016年の見どころですが、年明け早々にうさぎ座R(R Lep:クリムゾンスター)の極大が楽しめます。くじら座ミラ(ο(オミクロン)Cet)は、極大になる3月下旬に太陽が近くなり観測は難しいかと思われます。ただ2月から3月にかけて急増光していく様子は見のがせません。9月中旬に極大が予想されるはくちょう座χ(χ(カイ)Cyg)もおすすめです。できれば7月頃から増光していく様子をご覧ください。他にもオリオン座U(U Ori)、うしかい座R(R Boo)、しし座R(R Leo)、さんかく座R(R Tri)などは見やすい季節に極大を迎えますので、ぜひお楽しみください。

観測に必要な変光星図は日本変光星研究会ウェブサイト(「変光星図」ページ)や、アメリカ変光星観測者協会(AAVSO)ウェブサイトにありますのでぜひご利用ください。また観測結果については、上記日本変光星研究会サイトの「観測報告について」を参考に、日本変光星観測者連盟(VSOLJ)まで(観測受付の広沢憲治さん)ご報告をお願いします。

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