AstroArts Topics

恒星・銀河

初期銀河に漂う「炭素のけむり」

2015/07/02
ビッグバンからわずか10億年ほどしか経っていない初期宇宙に存在する銀河の中に、炭素原子のかすかな痕跡が見つかった。アルマ望遠鏡の高感度性能が大きく活かされ、銀河の大きさやガスの運動速度などが明らかにされた。

数十億年かけて渦巻銀河を飲み込んだ巨大楕円銀河M87

2015/07/01
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡(VLT)による観測で、おとめ座の巨大楕円銀河M87が中規模の渦巻銀河を飲み込んでいた痕跡が見つかった。手がかりを与えてくれたのは、M87に存在する惑星状星雲だ。

コンパス座X-1を取り巻くX線リング

2015/06/29
X線連星「コンパス座X-1」の周りに4重のリングが見つかった。X線を反射したエコーが見えているもので、その大きさやX線が届く時間差から、コンパス座X-1までの距離が明らかにされた。

かみのけ座銀河団中に800個以上の「超暗黒銀河」

2015/06/23
すばる望遠鏡アーカイブデータの解析から、かみのけ座銀河団の中に854個もの「超暗黒銀河」が発見され、銀河団内での分布や銀河の中にある星の種族が明らかになった。

太陽1億4000万個分 銀河中心の超大質量ブラックホール

2015/06/22
アルマ望遠鏡による観測を元にしたモデル計算で、棒渦巻銀河NGC 1097の中心に存在する超大質量ブラックホールの質量が太陽の1億4000万倍であると算出された。銀河と超大質量ブラックホールは共に進化してきたと考えられており、その関係を議論する上でブラックホールの質量は非常に重要な情報となる。

初期宇宙に明るい銀河「CR7」発見、第一世代星の証拠も検出

2015/06/19
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTによる観測で、初期宇宙に存在する銀河としては史上最も明るい銀河が見つかった。有名なサッカー選手の愛称が付けられたこの銀河には、第一世代星が潜んでいる証拠も得られている。

塵の向こうの宝石箱 球状星団「リラー1」

2015/06/19
ジェミニ南望遠鏡による近赤外線観測で、天の川銀河の中心方向にあって塵に隠されているため非常に見づらい球状星団がとらえられた。星同士が衝突しかねないほど密集した星団を調べると、単体の星の進化だけでは説明のつかない謎の天体の起源に迫れるかもしれない。

すばる、原始惑星系円盤に2つ目のリングギャップ構造を発見

2015/06/18
若い星の周りにある原始惑星系円盤をすばる望遠鏡で観測し、過去に見つかっていたリング状のギャップ構造の内側にもう1つのギャップ構造が発見された。惑星系の誕生の謎に迫るうえで重要な観測成果だ。

大質量原始星候補から噴出する水蒸気ジェットの変動を追跡

2015/06/17
VERAと北海道大学苫小牧11m電波望遠鏡を組み合わせた観測により、世界で初めて、大質量原始星からのジェットの間欠的な時間変動が直接とらえられた。ジェットは不連続に繰り返し吹き出していて、4年間で4度観測されるうちに根元の構造が変化していることも確認された。

ホットジュピターに成層圏を検出

2015/06/16
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、巨大な高温の系外惑星「WASP-33b」に成層圏が存在することがわかった。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

塵の繭から出現、宇宙で羽ばたく蝶

2015/06/12
ヨーロッパ南天天文台のVLTによる観測で、年老いた星から蝶のような姿をした惑星状星雲が生まれようとしている様子がとらえられた。

アルマ+重力レンズ=視力13000 117億光年先の銀河もはっきりと

2015/06/11
アルマ望遠鏡の観測結果とそれをもとに作られた重力レンズ効果モデルから、117億光年彼方にあるモンスター銀河の内部構造や、その手前にある銀河の超大質量ブラックホールの存在などが明らかになった。

銀河の歴史を物語る、銀河周囲に空いた3組の巨大な空洞

2015/06/11
銀河中心の超大質量ブラックホールが5000万年にわたって起こしてきた爆発的な噴出によって周囲の高温ガスに3組の巨大な空洞が作られた様子を、X線天文衛星「チャンドラ」が明らかにした。

ブラックホール観測に向け前進、日本初230GHz電波干渉計実験観測に成功

2015/06/08
大阪府立大学などの研究グループが野辺山宇宙電波観測所の2台の電波望遠鏡を用いて観測を行い、日本初となる230GHz帯のVLBI観測実験を成功させた。ブラックホールの直接検出に大きく貢献することが期待される。

大量のガスを一気に呑みこむ小さなブラックホール

2015/06/05
ひじょうに強いX線で光る4つの天体をすばる望遠鏡が観測し、ブラックホールがガスを一気に呑みこむ「超臨界流」の反動により大量のガスを放出しているという証拠が得られた。

初期の太陽系にそっくり、太陽系外「カイパーベルト」を発見

2015/06/01
太陽系の「カイパーベルト」に似た塵のリングがケンタウルス座の太陽型星の周りに見つかった。リングの大きさをはじめ太陽系との類似点が複数あり、幼い頃の太陽系の姿に似ているかもしれないという。

大質量星形成領域が銀河面から遠ざかる様子をVERAで観測

2015/05/28
天の川銀河の立体地図を作るVERAプロジェクトの観測で、はくちょう座方向にある大質量星形成領域が銀河面から遠ざかる動きなどが精密に測定された。この運動は、領域付近に広がる巨大バブル構造の膨張を反映したものとみられる。

巨大星のゆりかごと巨大なガスの渦巻き

2015/05/26
アルマ望遠鏡による観測で、巨大星が集団で誕生しているとみられる場所に、高密度のガスの塊を取り巻く3光年を超えるガスの腕が見つかった。ガスの腕が巨大星のゆりかごであることを示しており、巨大星がどのようにガスを獲得して成長していくのかを明らかにする観測成果である。

紫外線パルスから探るIa型超新星の起源

2015/05/25
3億光年彼方の超新星の観測から、紫外線の明滅が検出された。2通りの説があるIa型超新星の起源のうち、白色矮星に伴星からのガスが降着して爆発に至るという過程を示すものだ。

初発見、クエーサー・カルテット

2015/05/20
米・ハワイのケック天文台の観測から、遠方宇宙の4つのクエーサーが見つかった。重力レンズ効果で作られる4重像とは違い、別々のクエーサーが4つ近接するようすが見つかったのは初めてだ。それぞれの中心には活発な超大質量ブラックホールが存在している。