「はやぶさ2」地球帰還へ向け最後のイオンエンジン運転開始
【2020年5月18日 JAXA はやぶさ2プロジェクト】
昨年11月13日に小惑星リュウグウを出発した探査機「はやぶさ2」は、同12月3日から今年2月20日まで第1期のイオンエンジン運転を行ってリュウグウから離れる軌道に移った後、今年末の地球帰還を目指して慣性飛行(推力を使わない公転運動)を続けてきた。(参照:「「はやぶさ2」地球帰還を開始」/「「はやぶさ2」、第1期イオンエンジン運転完了」 )
5月12日7時00分(機上時刻、日本時間)に、「はやぶさ2」のイオンエンジンが再び点火され、帰路での第2期イオンエンジン運転が始まった。現在「はやぶさ2」は遠日点に近い位置にあり、太陽電池パネルの発電量が少ないため、4基あるイオンエンジンのうち1基のみでの運転となっている。
この運転は9月まで続けられる予定で、これによって「はやぶさ2」は最終的に地球にカプセルを投下できる軌道に入る。10月以降は化学エンジン(スラスター)を使った精密誘導が行われ、11~12月に地球に到達する。サンプルが格納されたカプセルはここで探査機本体から放出されて地球の大気圏に再突入し、オーストラリアに着地する予定だ。カプセルを分離した後の「はやぶさ2」本体は大気圏には再突入せず、別の天体の探査へ向かうことが検討されている。
(文:中野太郎)
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