形が見えてきた!「はやぶさ2」リュウグウ到着まであと2週間
【2018年6月14日 JAXA 宇宙科学研究所/ファン!ファン!JAXA!】
JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」は現在、6月27日ごろに予定されている小惑星「リュウグウ」到着に向けて、軌道修正を繰り返しながらその距離を順調に縮めている。6月14日の時点で「はやぶさ2」は、約750kmまでリュウグウに近づいている
6月13日に光学航法用望遠カメラ「ONC-T」で約920kmの距離から撮影された画像では、リュウグウは10ピクセル程度のサイズで写っている。地上観測から推定されている通り、直径は900m程度とみられる。時間をおいて撮影した画像でも形状があまり変わらないことから、2005年に「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」のような、極端に細長い形ではないようだ。詳しい形が見えてくるのはさらに接近してからだが、今の時点で少し角があるようにも見える。6月20日ごろには100ピクセル、6月25日ごろには400ピクセルのサイズで写るはずとのことだ。
また、リュウグウに衛星が存在するかどうかも調べられている。6月7日にはリュウグウから2100km離れた位置で178秒の長時間露光撮影が4回行われ、リュウグウの周りを公転運動する物体がないかどうか探索された。
探索の結果、リュウグウから距離50km以内に大きさ50cm以上の衛星は存在しないようだが、万が一「はやぶさ2」が衛星と衝突することがあればミッションにとって危険なため、今後も探索が続けられる予定だ。
中間赤外線カメラ「TIR」では、リュウグウの自転による明るさの変化がとらえられている。6月7日から8日にかけて撮影されたリュウグウの光度変化は、地上からの観測で得られていた光度曲線とほぼ一致していて、自転周期はこれまでの想定通り約7.6時間とみられる。
また、レーザー高度計「LIDAR」が約2年ぶり、近赤外線分光計「NIRS3」が半年ぶりにそれぞれ電源が投入され、両機器が正常であることも確認された。リュウグウまで距離25km以内に近づいた後はLIDARで距離を計測することになっている。
今後は、撮影と軌道修正を数日おきに繰り返しながらリュウグウに近づき、6月27日ごろにリュウグウの上空20kmの「ホームポジション」と呼ばれる位置に到着する予定になっている。リュウグウの新しい画像はほぼ軌道修正を行うごとに、「はやぶさ2」ミッションのウェブサイトで公開される見込みだ。
〈参照〉
- JAXA 宇宙科学研究所(ISAS):「はやぶさ2」、リュウグウへ向け順調に航行中
- ファン!ファン!JAXA!:小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会(2018年6月14日)
〈関連リンク〉
- 「はやぶさ2」:
- アストロアーツ:
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