「はやぶさ」微粒子の初期分析を開始
【2011年1月17日 JAXA】
昨年6月に探査機「はやぶさ」が持ち帰った微粒子の初期分析が開始される。世界初の小惑星サンプルとみられる物質から太陽系の起源の謎に迫るため、まずはさまざまな分析を行い、微粒子をカタログ化するための情報を得ていく。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1月17日、昨年6月13日に小惑星イトカワから地球へと帰還した探査機「はやぶさ」のカプセルから採集した微粒子の初期分析を開始すると発表した。微粒子物質の微細構造や元素組成、有機化合物の有無などさまざまな分析を行い、その情報に基づいて1つ1つの微粒子がカタログ化されていく。
分析の対象となるのは、サンプル収納容器の2つの区画のうち「サンプル室A」から収集されたもの。「サンプル室A」は、2005年11月26日に実施された2回目のイトカワ着陸・サンプル回収で使用された区画で、収納容器を逆さにし器具で叩いて落ちてきたもののうち電子顕微鏡の観察で岩石質と確認されたものを分析する。去年11月にイトカワ由来と判明した1500個の微粒子も、この「サンプル室A」から特殊ヘラにより採集されたものだ。
一方、2005年11月20日の1度目の着陸で使用された「サンプル室B」からはすでに100個の微粒子が採集されており、さらに室内の状況を詳しく調査することになっている。