AstroArts Topics

恒星・銀河

天の川銀河に漂う星間ダストによる光散乱の異方性を解明

2017/11/09
天の川銀河内の星間ダストによる散乱光と熱放射の明るさの比は、天の川に近づくほど大きくなる。星間ダストによる光散乱の異方性や星間ダストの温度を考慮した新しいモデルで、この変化の原因が解明された。

小さな中心星の周りに巨大ガス惑星NGTS-1 b

2017/11/08
チリ・パラナル天文台に設置されている観測設備「次世代トランジットサーベイ(NGTS)」が初めて系外惑星を発見した。質量の小さなM型矮星の周りを回る巨大惑星は、従来の理論からすると意外な存在だ。

宇宙からの直接観測で3テラ電子ボルトまでの高精度電子識別に初成功

2017/11/07
国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォームに搭載された高エネルギー電子・ガンマ線観測装置「CALET」で、これまで測定が困難だったテラ電子ボルト領域において、3テラ電子ボルトまでの高精度エネルギースペクトルの測定に成功した。

スターバースト銀河の心臓部に個性豊かな星間物質の塊

2017/11/06
活発な星形成が進むスターバースト銀河の心臓部をアルマ望遠鏡で観測したところ、活発に星を生み出している星間物質の塊が8個並んでいる姿が鮮明にとらえられた。多種の分子ガスからの放射が見られる塊もあれば、分子の種類がかなり少ないものもあり、個性豊かな様子が明らかになった。

酸化アルミニウムが豊富な、死にゆく星の塵形成と恒星風加速

2017/11/02
漸近巨星分岐星と呼ばれる年老いた軽い星の多くでは、周りに酸化アルミニウムダストが豊富に見られる。本来少ないはずの物質が豊富な理由について、アルマ望遠鏡による観測から原因が探られた。

酸化チタンの雪が降る系外惑星

2017/11/01
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、系外惑星「Kepler-13 A b」の夜側で酸化チタンが雪のように降っていると考えられることがわかった。

銀河団の中心でふらつく大質量銀河

2017/11/01
大質量の銀河団中心銀河が銀河団の重心に対して「ふらついて」いることが明らかになった。この発見は予想外で、現在のダークマターに関する標準理論の予測に反するものだ。

銀河中心核を活性化した小銀河の合体を示す証拠

2017/10/31
くじら座の銀河M77は、見かけは穏やかながら中心核が非常に活動的だ。すばる望遠鏡による観測で、かつてM77が別の小銀河を飲み込み、M77中心の超大質量ブラックホールを活性化させていたことを示す証拠が見つかった。

超巨星ナオスの光点が生み出す恒星風内の渦構造

2017/10/31
約1080光年彼方の超巨星ナオスの表面に複数の巨大な光点が存在し、恒星風の中に渦を巻く大規模な構造を作っていることが明らかになった。

ハッブル宇宙望遠鏡版「メシエカタログ」

2017/10/26
「メシエカタログ」に登録されている110個の天体のうち、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された63個の天体の画像が一覧公開された。リストは今後も更新されていく予定である。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

三日月とリングは惑星誕生のサイン

2017/10/25
アルマ望遠鏡が若い星「オリオン座V1247星」の周りの塵を観測し、星を取り巻くはっきりとした内側の環と、淡い三日月形をした外側の環をとらえた。

光の偏りの小ささを観測、中性子星合体で金が作られることを独立に示唆

2017/10/24
8月17日に重力波が検出された中性子星同士の合体現象について、光の偏りが小さいという観測結果が得られ、金などの重い元素が中性子星合体で作られていることが光の明るさの観測とは独立に示された。

【レポート】「重力波天体が放つ光を初観測」記者会見

2017/10/20
10月17日に東京大学で開催された記者会見「重力波天体が放つ光を初観測〜日本の望遠鏡群が捉えた重元素誕生の現場〜」の様子を、星ナビ連載「天文台マダムがゆく」著者の梅本真由美さんがレポート。

岩石惑星を飲み込んだ恒星クロノス

2017/10/18
地球から約350光年の距離に位置する連星の観測により、一方の星が地球質量15個分の岩石惑星を飲み込んだ痕跡が示された。

連星中性子星の合体からの重力波を初検出、電磁波で重力波源を初観測

2017/10/17
8月17日、連星中性子星の合体によって発せられた重力波が初めて検出された。直後から世界中の望遠鏡や天文衛星で観測が行われ、初めて重力波源が電磁波でもとらえられた。理論的に予測されていた、中性子星合体に伴う電磁波放射現象「キロノバ」の発生も初めて確認されている。

Ia型超新星のヘリウム核融合反応説を支持する初の観測的証拠

2017/10/12
すばる望遠鏡で観測された爆発直後のIa型超新星のデータ解析から、これまで提案されていた爆発メカニズムの一つによって超新星のふるまいを説明できることが確かめられた。ヘリウム核融合反応説を支持する、初の確固たる観測的証拠である。

地球外生命の指標として不適格か、赤ちゃん星にもクロロメタンが存在

2017/10/11
赤ちゃん星の連星系という星間空間で、有機ハロゲン化合物「クロロメタン」が初めて発見された。この物質はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星でも発見されており、生命が存在しない環境でも自然に作られて長く存在し続けるようだ。

低温環境で液体のようにふるまう氷

2017/10/06
分子雲に存在する氷である星間氷を模した紫外線照射非晶質氷が、極低温で固体状態ではなく、液体的にふるまうことが発見された。

ビッグバン直後の超音速ガス流が生んだモンスターブラックホールの種

2017/10/05
スーパーコンピューターによるシミュレーションで、ビッグバン直後の超音速ガス流から太陽の3万4000倍もの質量をもつ巨大ブラックホールが誕生する様子が再現された。初期宇宙に存在する超大質量ブラックホールの種になるものと考えられる。

分子雲では初となる直線炭素鎖分子の検出

2017/10/05
電波観測により、おうし座の分子雲領域に直線炭素鎖分子C7Hが検出された。分子雲に見つかったのは初めてのことで、原始地球の有機物の起源を解明する手がかりともなる結果だ。