AstroArts Topics

恒星・銀河

アルマで直接観測、惑星系円盤誕生における問題解決の糸口

2017/02/08
原始惑星系円盤の観測から、ガスが円盤に降着する際に角運動量の一部を円盤の垂直方向に放出していることが明らかになった。惑星系円盤誕生の研究における大きな謎を解決するための、重要な糸口の発見である。

太陽のような軽い星の最期の姿「ひょうたん星雲」

2017/02/06
「ひょうたん星雲」は、太陽のような低質量星が進化の最終段階でほんの一瞬だけ見せる、壮観な姿の一例だ。

世界初、一酸化ケイ素の4輝線同時VLBI観測

2017/02/03
VERAの新システム「OCTAVE-DAS」により、世界で初めて、4つの電波周波数帯における一酸化ケイ素を同時にVLBI観測することに成功した。

遠方の星形成銀河で探る宇宙の泡構造

2017/02/01
暗黒物質の分布と銀河の3次元分布を直接比較した観測研究から、暗黒物質の集積と銀河における星形成の歴史の関連が調べられ、宇宙では過去に遡るほど、物質分布と星形成銀河分布の関連が深くなることが明らかになった。

重力レンズが裏付け、予想より速い宇宙の膨張

2017/01/30
重力レンズ効果を利用して宇宙の膨張率を表すハッブル定数の値が調べられ、近傍宇宙の観測から求めた定数では従来の値との一致がみられたが、衛星「プランク」による初期宇宙観測に基づく値とは一致しないことが確かめられた。

風変わりなカメレオン超新星

2017/01/27
2014年に発見された超新星「SN 2014C」は爆発から1年の間に劇的な変化を見せた、謎めいた天体だ。爆発前に大量の物質を放出していたとみられている。

宇宙に金属鉄は少ない、微小重力実験で検証

2017/01/25
観測ロケットを用いた微小重力実験から、地上実験の結果とは異なりガス中の鉄同士はくっつきにくいこと、つまり金属鉄は宇宙空間において形成しにくいことが示された。

大銀河の材料となる、矮小銀河の群れ

2017/01/24
SDSSのデータなどから、矮小銀河の集団が7つ発見された。こうした小銀河が衝突合体して大きい銀河が形成されると考えられており、その観測的な証拠となる。

天の川を撃ち抜く超音速の弾丸、正体は浮遊ブラックホールの可能性

2017/01/18
天の川銀河の円盤部で発見された超高速度分子ガス成分を電波観測したところ、5000年から8000年前に起こった局所的な現象によって駆動されたものだと判明した。駆動源は一時的に活性化したブラックホールである可能性が高いようだ。

新星爆発で大量に発生していた「すす」

2017/01/17
古典新星の観測から、新星爆発で飛び散ったガス中に大量の「すす」が発生していたことが明らかになった。爆発前の白色矮星に炭素が豊富に含まれていたとみられ、C2分子からすすへと大きくなっていく痕跡も世界で初めてとらえられた。

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近傍銀河に潜むガスと塵に隠された超大質量ブラックホール

2017/01/12
X線観測衛星NuSTARが、2つの近傍銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの存在を確認した。大量のガスや塵に隠されていてもX線なら観測が可能だ。

太陽の数兆倍の磁場を持つパルサーの正体

2017/01/11
静かなパルサーと考えられていた天体に、マグネターのような激しいX線バーストが観測された。この天体特有のものなのか、パルサーとマグネターは一つの天体の異なる進化段階であることを示す結果なのかは、わかっていない。

遠方銀河9万個の3次元分布図が完成

2016/12/22
ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡で約8年かけて進められてきた、遠方銀河の分布図作りが完了した。9万個以上の銀河の情報は、宇宙の大規模構造やダークエネルギーについての研究に役立てられる。

最も明るい超新星の正体は、ブラックホールに飲み込まれた星かもしれない

2016/12/19
2015年に観測された、史上最も明るい超新星爆発だと思われていた現象は、高速で自転しているブラックホールに恒星が接近し飲み込まれることによって発生したものかもしれない。

ガスと塵の分布が示す2つの惑星誕生の証拠

2016/12/15
アルマ望遠鏡の観測により、若い星を取り巻く塵とガスの円盤に、はっきりとした暗い隙間が複数見つかった。そのうち2か所には、それぞれ土星ほどの質量の惑星が存在しているとみられている。

巨大な低温ガス雲に埋もれ育つ大きな胎児

2016/12/07
100億光年以上彼方の「クモの巣銀河」の電波観測から、この天体が低温で高密度の分子ガスの巨大な集まりの中にあり、そこから材料を得て巨大銀河へと成長していることが明らかにされた。

アルマ望遠鏡、惑星の種の大きさと、その成長に迫る

2016/12/06
アルマ望遠鏡を使った若い星「HD 142527」の観測により、この星を取り巻く円盤を構成する塵粒子の大きさが初めて高精度で見積もられた。また、円盤内で塵の性質に偏りがあることも初めて明らかになった。

不可思議な量子効果「真空複屈折」を示唆する初の観測成果

2016/12/01
強力な磁場を持つ超高密度天体である中性子星の観測から、80年前に予測された量子効果「真空複屈折」の証拠となる現象が初めて観測的に示されたとする研究成果が発表された。

生命がいるかもしれない惑星のトランジットを地上から観測

2016/11/29
ハビタブルゾーンに位置する太陽系外惑星「K2-3d」が主星の前を横切るトランジット現象が、初めて地上の天体望遠鏡でとらえられた。惑星の公転周期が高精度で測定されたことにより、将来の観測で惑星の大気を調査できる見通しが高まり、地球外生命探索に繋がる重要な足がかりが得られたといえる。

超高輝度超新星が通常の超新星の100倍明るい理由

2016/11/28
超高輝度超新星の新たな理論モデルの計算から、星が爆発直前に放出していた大量のガスと超新星爆発時の噴出物とが激しく衝突することにより、通常の超新星よりも100倍程度明るく輝くことが示された。