AstroArts Topics

恒星・銀河

急増光中の若い星の周りに水のスノーライン

2016/07/14
アルマ望遠鏡による若い星の観測で、その周りを取り囲む原始惑星系円盤が詳細にとらえられ、水が凍る・凍らないの境界線である「スノーライン」がはっきりと示された。急増光中の星の周りに水のスノーラインが発見されたのは初めてのことで、惑星形成を理解する上で重要な観測結果である。

見た目以上に大きかった、内側ほど若い不思議な銀河

2016/07/12
これまで小さく変わったところのない楕円銀河だと考えられてきた銀河が、実は従来の見積もりの10倍も大きく腕を持っていることがわかった。さらに、外側より内側が若いという珍しい特徴も明らかになった。

運良く見つかった、超短命であるはずの系外惑星

2016/07/12
準巨星のすぐそばを公転する巨大惑星が発見された。このような場所にある巨大惑星は時間が経つと中心星の潮汐力によって破壊されてしまうと考えられているが、今回見つかった惑星はそうなる前に運良く見つけられたようだ。

「ひとみ」が見た、意外と静かな銀河団中心の高温ガス

2016/07/07
本格運用には至らなかったX線天文衛星「ひとみ」だが、観測装置立ち上げ段階で行われた観測から、ペルセウス銀河団の中心部の高温ガスは意外に静穏であることが明らかにされた。

緑であるのは簡単ではない、色が語る銀河の進化

2016/07/04
この宇宙で緑色の銀河が珍しいのはなぜだろうか。その色からは、銀河のどんな歴史がわかるだろうか。これらの疑問に対する答えがコンピュータ・シミュレーションによって示された。

原始星を取り巻く大型有機分子の回転リング、化学組成に多様性

2016/06/30
アルマ望遠鏡を用いた原始星の観測から、星を取り巻いて回転するリング構造が見つかった。リングは原始星に落下してきたガスと惑星系を作る回転円盤の境界面とみられ、大型有機分子が豊富に含まれているが、有機物の種類は原始星によって異なることも明らかになった。

CR7だけではなかった、初期宇宙に非常に明るい複数の銀河

2016/06/29
初期の宇宙に存在した、非常に明るい銀河が複数見つかった。宇宙再電離と呼ばれる現象や初期銀河の研究を進めるうえで重要な発見となる。

星間空間で初めて見つかったキラル分子

2016/06/20
巨大な星形成領域「いて座B2分子雲」で、キラル分子である酸化プロピレンが見つかった。隕石や彗星など太陽系内では見つかっていたキラル分子だが、星間空間で検出されたのは初めてのことだ。

131億年前の宇宙に存在する銀河に酸素を検出、史上最古

2016/06/17
アルマ望遠鏡の観測で、131億年前の宇宙に存在する銀河に、電離した酸素ガスが初めて検出された。いまだ謎である宇宙再電離を探る重要な手がかりになると期待されている。

惑星誕生領域で初めてメタノールを発見

2016/06/17
アルマ望遠鏡が若い星を取り巻く円盤にメタノールを検出した。惑星の誕生現場である円盤にメタノールが発見されたのは初めてのことで、惑星誕生過程における化学反応や、最終的に生命の誕生にもつながるような化学反応の理解を助けるものといえる。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

2例目となる重力波の直接検出、ブラックホール同士の合体で発生

2016/06/16
2015年12月26日、レーザー干渉計型重力波検出器「LIGO」が2例目となる重力波の直接検出に成功した。

2つの太陽を持つ木星サイズの系外惑星

2016/06/15
系外惑星探査衛星「ケプラー」の観測により、これまで連星系に発見された中では最大のものとなる系外惑星「ケプラー1647b」が見つかった。1100日以上をかけて2つの太陽の周りを回っている。

大質量星形成領域で、ジェット駆動のバウショックを観測

2016/06/14
大質量星形成領域「S255」の水メーザー観測から、アウトフローやU字形のメーザー分布が検出された。低質量星形成領域で見られるジェット駆動のアウトフローが大質量星形成領域でも見られることを示す、重要な観測成果だ。

巨大ブラックホールに吸い込まれる冷たいガス雲の塊

2016/06/13
10億光年彼方の楕円銀河の中心にある超大質量ブラックホールにガス雲の塊が雨のように降る様子がとらえられた。冷たく高密度のガスが銀河中心のブラックホールに落ちていく現象を直接観測した初めての例となる。

「限界を超えたIa型超新星」の起源を解明、降着説を支持

2016/06/10
Ia型超新星のなかには、通常考えられているメカニズムでは説明が難しい「限界を超えた超新星」が数例発見されている。詳しい観測によりこうした超新星の近くからの強い赤外線放射がとらえられ、超新星爆発の起源が降着説と呼ばれる現象であることを強く支持する結果が得られた。

晩期星周囲のガスから放射されるメーザーの複雑な形状を鮮明に撮影

2016/06/09
日韓共同VLBI観測網「KaVA」を用いた観測で、一生の晩期を迎えた星を取り巻くガスから放射される一酸化ケイ素メーザーの複雑な形状が鮮明にとらえられた。KaVAの本格運用開始により、星の最終進化における物質放出の研究が大きく進むと期待される。

クエーサーから噴き出すガスの変動メカニズムに新知見

2016/06/07
信州大学などの研究グループがクエーサーを3年以上にわたってモニター観測し、クエーサーから放出されるアウトフローが時間変動する原因として、クエーサーの明るさの変動が関わっていることを確認した。

予測よりも速い宇宙の膨張速度

2016/06/06
遠方銀河の距離の正確な測定から、ハッブル定数の値が73.2と高精度で求められ、宇宙の膨張速度が従来の予測よりも速いことが示された。

星の形成を妨げる超大質量ブラックホールからの風

2016/05/26
星形成が行われておらず中心部の超大質量ブラックホールから時おり風が吹き出すという特徴を持つ、「レッドガイザー」と呼ばれるタイプの銀河の観測から、星形成を妨げる原因となる銀河中でのガスの加熱が超大質量ブラックホールからの風によって引き起こされていることが明らかになった。

約100万歳の若い星の周囲で惑星形成の新証拠

2016/05/25
アルマ望遠鏡の観測データの解析から、100万歳と若い星の周囲のガス円盤に二重の溝が見つかった。すでに知られていた塵の分布に見られる溝と同じ位置に存在しており、ここで惑星形成が起こっているという強い証拠となる結果である。惑星形成には数千万年はかかるとしてきた従来の説を再考する必要があるかもしれない。