AstroArts Topics

恒星・銀河

星を飲み込んだブラックホールが放射する電波のこだま

2018/03/26
超大質量ブラックホールから放射される電波とX線の観測データから、X線の強さの変動からしばらく遅れて電波もまったく同じ変動をしている例が見つかった。ブラックホールに吸い込まれる物質の量に比例して電波の強さが調節される仕組みが存在するようだ。

近傍宇宙に存在する、100億年前の遺跡のような銀河

2018/03/15
ハッブル宇宙望遠鏡による観測から、地球から比較的近い距離に位置する銀河「NGC 1277」が100億年前の姿をほぼとどめており、近傍の宇宙に存在するものとしては非常に珍しいことが明らかになった。

若い星を取り巻く、2400億kmに及ぶ広大な塵の構造

2018/03/14
ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、約800万歳の若い星「HR 4796A」の周囲に、差し渡し2400億kmの広大で複雑な塵の構造が発見された。

星を生み出すオリオン座のガス雲

2018/03/14
アルマ望遠鏡とIRAM 30m電波望遠鏡の観測データを組み合わせることで、オリオン座大星雲の中にあるフィラメント構造が詳細にとらえられた。

天の川銀河中心方向、いて座D HIIまでの距離の高精度計測に初成功

2018/03/13
長年にわたり議論されてきた、天の川銀河の中心方向に位置する天体「いて座D HII」の距離について、VERA望遠鏡の観測結果から初めて高精度な値が見積もられた。

赤色巨星からの風で生き返った中性子星

2018/03/12
大質量星の「死骸」である中性子星が赤色巨星とペアになっている連星系で、赤色巨星から吹き付ける風によって中性子星がX線を放射し始めるという珍しい現象がとらえられた。

ホットサターンの大気に大量の水

2018/03/09
土星サイズの高温の系外惑星「WASP-39 b」の観測から、その大気に大量の水蒸気が存在するらしいことが示された。系外惑星の大気に関するこれまでで最も詳しい情報によれば、WASP-39 bは太陽系の惑星とはかなり異なる形成過程を経たようだ。

宇宙は原始銀河団であふれている

2018/03/07
すばる望遠鏡が約120億光年彼方の宇宙に、銀河団の祖先である「原始銀河団」を200個近く発見した。従来の10倍もの発見数という大規模なサンプルから、遠方宇宙における原始銀河団の特徴が初めて統計的に明らかにされた。

宇宙最初の星々が宇宙背景放射に残した痕跡を初検出

2018/03/06
ビッグバンから1億8000万年後という宇宙の歴史のごく初期に「宇宙最初の恒星」が生まれた証拠となる電波信号が初めて検出された。

銀河ハローにある恒星集団の意外な起源

2018/03/05
天の川銀河を取り巻くハロー部分に存在する2つの恒星集団について、その化学組成が詳しく調べられた。これらの恒星集団はかつて銀河に衝突した小銀河の残骸だと考えられてきたが、分析の結果、意外にも天の川銀河自身の円盤に起源を持つ可能性が高くなった。

星空案内 毎月の天文現象や星座を解説

低温のM型矮星を回る系外惑星を15個発見

2018/03/02
天の川銀河の多数派である、軽くて低温の「M型矮星」10個の周りに計15個の惑星が新たに見つかった。液体の水が存在するかもしれない惑星の存在や、太陽型恒星をめぐる惑星との統計的な共通点も判明しており、これまであまり探索が進んでいなかったM型矮星の周囲の惑星を知る重要な情報となる。

プロキシマケンタウリで発生した巨大フレア

2018/03/01
太陽系に最も近い恒星であるプロキシマケンタウリで巨大なフレアが発生していたことが、アルマ望遠鏡による観測から明らかになった。

ケフェイド変光星の距離改良で導かれたハッブル定数の不一致

2018/03/01
ハッブル宇宙望遠鏡の観測によるケフェイド変光星の距離の改良などを元にして、宇宙の膨張率を表す「ハッブル定数」がこれまでで最も高い精度で求められた。初期宇宙のマイクロ波背景放射の観測から求めた値とは明らかな差があり、新たな謎を生んでいる。

かつてない広さと解像度のダークマター地図

2018/02/28
すばる望遠鏡搭載の超広視野主焦点カメラ「ハイパー・シュプリーム・カム」を用いた大規模探査観測データから、重力レンズ効果の解析に基づく史上最高の広さと解像度を持つダークマターの地図が作成された。地図から調べたダークマターの塊の数について、最も単純な加速膨張宇宙モデルでは説明できない可能性が示されている。

磁場が描き出す、天の川銀河中心のガスや塵のフィラメント構造

2018/02/27
天の川銀河の中心に潜む超大質量ブラックホールの周囲に位置する、渦巻くガスや塵の中の磁力線を示した初の高解像度マップが作成された。

これまでで最遠、105億年前の超新星を発見

2018/02/26
詳しく観測された超新星としてはこれまでで最も遠い、105億年前の超新星爆発がサーベイ観測プロジェクトで発見された。

地球大気の歴史を紐解いて系外惑星の生命を探す

2018/02/26
過去の地球大気の組成を系外惑星の環境に当てはめてモデル化することで、系外惑星に存在する生命の痕跡を観測でどの程度検出できるかを推定する研究が行われた。

アマチュア天文家がとらえた、爆発した瞬間の超新星

2018/02/23
アルゼンチンのアマチュア天文家Victor Buso氏さんが偶然観測した超新星「2016gkg」が、「ショックブレイクアウト」と呼ばれる爆発したばかりの段階のものであったことが、観測データの解析とシミュレーションから明らかになった。

アンドロメダ座大銀河の質量は天の川銀河とほぼ同じかもしれない

2018/02/22
アンドロメダ座大銀河の質量は私たちの天の川銀河より2~3倍大きいと考えられてきたが、最新の研究で両銀河の質量がほぼ同じであるという結果が得られた。

超大質量ブラックホールは銀河進化と無関係か

2018/02/21
超大質量ブラックホールが存在する銀河中心部からの電離ガス流は周囲の分子ガスの運動や星形成活動に大きな影響を及ぼすと考えられてきたが、ガス流の影響をほとんど受けずに銀河に存在する一酸化炭素ガスがアルマ望遠鏡の観測で発見された。必ずしもブラックホールと銀河が互いに影響を及ぼし合っているわけではないことを示す成果である。