編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2002年4月

 1月31日「明日、都庁の展望室から富士山頂に沈む太陽が見えるんですが行ってもいいですか?」1月からソフト開発チームのスタッフとなった渡邊君が私のところへきて言った。富士から昇る朝陽や富士に沈む夕陽を「ダイヤモンド富士」と呼び、それを撮影するマニアがいるらしい。彼もそのひとりというわけだ。自作のソフトで求めた結果を検証したいというのだが、チームのボスである上山氏もすっかりその気だという。

 翌日は、ややガスっぽいものの雲一つない快晴。機材を抱えて出発する二人について行くことにした。都庁45階の展望室に上がると…いるいる、西側の窓際には三脚が並び、すでに場所取りが始まっていた。中には昨日撮影した写真を見せあいながら今日の撮影計画を練っている人もいて、皆、常連さんのようだ。

 太陽は見えているもののガスっているせいで、西の地平線方向にあるべき富士山の姿はまったく見えない。しかし、太陽高度が低くなるにつれ、富士の稜線がシルエットとなって浮かびあがり…そして、山頂への日没…展望室にはたくさんの人が集まり、沈み行く太陽を見送っていた。太陽が山頂に消え行く姿は確かに美しかったが…ダイヤモンドにふさわしくない!のだ。直前まで見えていた明るい光球に目が慣れてしまっているせいで輝かない。そう、ちょうど皆既日食の始まりと終わりのダイヤモンドリングのイメージが違うように、暗いところから出現するほうが遥かに劇的なのだ。

 そんなわけで、もう一度、日の出のダイヤモンド富士を見てみたくなってしまったのだが…これってマニアへの入口?

■さて、一昨年12月の創刊号から編集長を務めさせていただいたが、今月号より川口編集長にバトンタッチすることにした。とはいえ、編集兼発行人として居座るので、新編集長ともどもこれからもよろしく。

編集・発行人 大熊正美

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