本誌各号の編集後記を掲載。
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■2003年7月撮影というのはじつに大変な作業である。雑誌の撮影は二種類に大別できる。取材やロケのように屋外で行なう場合、それにスタジオにこもる場合だ。今回のデジカメアダプタ特集のように物撮りが中心の場合は後者、都内の某スタジオを2日借り切って撮影した。 業界には『撮影時間3倍則』という法則がある(たぶん他誌でもそうだと思う)。通常、撮影を行なう場合、対象や点数など撮影内容から作業時間を割り出し、その3倍の時間を見積もるのである。それより短い時間で終わったら『ラッキー』、関係者全員がハッピーになれる。ところが当編集部の場合、なぜかさらにその3倍、つまり9倍の時間がかかることが、スタッフの間では共通認識となっている。今回もその認識通り、当初の予定時間を大幅に超えた長時間の撮影になってしまった。『単に段取りが悪いだけじゃん!』という声が聞こえてきそうだが(カメラマンの岡田さん、申し訳ございません)、ともあれ思い通りにいかないのは世の常である。 撮影は肉体的にもつらいことが多いが、反面、撮影の前の打ち合わせで、それぞれの記事にあった構図を考えるのは楽しい作業だ。制作する側からすると、せっかく撮影するのだからいろいろ遊んでみたい。もちろん、いろいろ凝ったことを考えれば、比例して撮影は大変になっていくわけだが……。自分で自分のクビを絞めることになる。 さて、今回の特集ではどんな構図がいいか、社内で打ち合わせを始めた。『(商品見本で社内にあった)火星儀を使おう!』という案がすんなり出て、それから現実無視、無責任のいろいろな案が……(撮影当日、スタジオ移動中に肝心の火星儀を持ってくるのを忘れるという失態もあった)。最終的にはご覧のような(おとなしい)構図に落ち着いたが、モデルの高橋さんにレオタード姿になってもらって新体操風にとか、水着姿でビーチボール風はどうかとか? ちょっとこの誌面では書けないような案(妄想かも)が、スタッフの間で浮かんでは消えていった……。 必ずしもスタッフのイメージ通りの構図が実現するとはかぎらないが、読者のみなさんが誌面を見てニヤリとするような、ウイットとユーモアに溢れた誌面作りを心がけたいと思っている。
(敬)
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