本誌各号の編集後記を掲載。
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■2003年12月福島県石川町で、毎年秋に行なわれている「石川町スターライトフェスティバル」に行ってきた。今年で12回目となるこの星見イベントは「勝手に楽しむ」ことが目的のようだ。 各地で、さまざまな天文イベント・観望会が開かれるようになって久しい。地元の人たちに星に親しむ機会を提供しようという観望会的イベント、地方ごとの広域にまたがる天文同好会の交流を図ろうという催し、町おこし村おこしの一環として自治体をあげて取り組んでいる星祭り、流星や彗星など目的を同じくする観測者が集まる勉強会など、目的によって会の雰囲気や主催者側の取り組みも違ってくる。 石川町スターライトフェスティバルの運営は、地元ボランティアからなる実行委員会が行なっている。核となる天文同好会があるわけでもなく、自治体主導でもない。なにより実行委員のみなさんも会場を走り回りながらも、自ら楽しんでいるようだった。 スケジュールには手作り望遠鏡教室やパン食い競争、天文講演会、アクアマリンコンサートなどが並んでいるが、参加者全員がステージに注目しているわけでもなく、各催しが分単位で進むわけでもない。参加者は、会場となった母畑(ぼばた)レイクサイドセンターの広大な野球グラウンドに勝手にテントを立てて、自分たちのエリアを確保。勝手にくつろいだり食事したりしている。もちろん夜は持参の望遠鏡で、または参加メーカーの望遠鏡で勝手に星を見て楽しんでいる。 自作望遠鏡が多く集まるのもこのスターライトフェスティバルの特徴。目次や、8ページのニュースファイル、双眼狂日記でそのほんの一部を紹介したが、作ること、見ることが楽しくてしょうがないといった人たちだ。 最終日に恒例の大ジャンケン大会では、参加者をはるかに上回る数の景品が用意され、95%以上の人が、星座早見から望遠鏡まで多種多様なお土産を持って帰った。しかし最大のお土産は、参加者同士の語らいや、美しい星空とともに過ごした「楽しい時間」だったにちがいない。
(ジャンケン大会で最後まで負け続け、参加賞全員に配られた石川町特産のりんごしか貰えなかった5%の1人となった編集人川口記す)
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