編集後記


本誌各号の編集後記を掲載。

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■2005年1月

創刊時に打ち上げた光速航行の宇宙船は、まもなく隣の恒星、アルファ・ケンタウリに到着する。ウワサには、われわれよりもずっと遠いところでさまよっている宇宙船も多いと聞く(ウワサは光よりも速く伝わる)が、われわれはここで地球へ引き返すわけにはいかない。4年間かけて、やっと一番近い恒星にたどり着いたに過ぎないのだ。宇宙を突き進む決意を新たに、ミッションを続行する。

「編集長、船外の放射線量が激変しています」
「編集長、コンピュータが壊れました」
「編集長、エネルギー源の反物質がそろそろ底を突きます」……前途は、多難である。

 しかし絶望的観測ばかりではない。旅の途中には多くの出会いがあり現在に至っている。また、何より励みとなる読者の声を推進力に変換する基礎研究も実を結びつつある。そして、多くの関係者の献身的なパワーが、このミッションを支えてくれている。

 今月、この宇宙船にいくつかの重要な変更を施した。まず、宇宙船の回転方向を逆転した。これまでは進行方向に対して左回りに回転させていたが、これを逆転することで、レイアウトを変更するなど船内環境を改善した。より使いやすくするためにこれまで縦だったものを横にしたが、全宇宙的に見れば、これが標準的な仕様である。

 各モジュールの接合方法も見直した。これまでは針で綴じる方式であったが、金属資源の使用をやめ、強力な糊付けに変更した。また、使用頻度の高い基本的な設備のオーバーホールも行った。さらに、総合的な判断のもといくつかのモジュールを切り捨てざるを得なかったことも付け加えておく。アルファ・ケンタウリの到着を機にさまざまなところに手を入れたが、宇宙船の改良は今後も継続的に行っていく。

 星ナビの「ナビ」は航海者でもある。2005年、銀河系の大海原へと漕ぎ出す第2シーズンが始まった。これからもご支援を賜りたい。

(編集長・大川)

ロケット

光子ロケットって、こんなん?

 



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